和周波発生法は界面選択的分光法として広く用いられています。しかし従来の方法は光の強度のみを検出する方式(ホモダイン検出)のため二次非線形感受率の絶対値の自乗しか得られませんでした。我々はヘテロダイン検出と呼ばれる干渉測定を用いて二次非線形感受率の強度と位相を同時に計測することが出来るヘテロダイン検出電子和周波発生とヘテロダイン検出振動和周波発生を開発しました。さらにそれをフェムト秒ポンププローブ測定と組み合わせて時間分解ヘテロダイン検出振動和周波発生分光、二次元ヘテロダイン検出振動和周波発生分光および紫外励起時間分解ヘテロダイン検出振動和周波発生分光測定を実現しています。これらの新しい方法によって界面の分子構造やダイナミクスについて物質内部(バルク相)と同レベルの豊かな情報が得られるようになっています。さらに現在では、干渉計を用いた第二世代の二次元ヘテロダイン検出振動和周波分光法の開発を行っています。
二本柳, Sung　（山口, Singh, 松崎, 井上）